日本の煙火は、職人の微細な調整と素材選びの積み重ねによってその美しさが生まれます。花火製造会社、株式会社イケブン様(静岡県藤枝市)に、当社製品のガムテープ「リカテープ」を煙火素材として採用いただいております。
イケブン様の受賞歴とその卓越性
イケブン様は、国内でも屈指の花火競技大会で数々の栄誉を得ていらっしゃいます。
その中でも特筆すべきは、2015年の 大曲全国花火競技大会 夜花火の部にて「最優秀賞・内閣総理大臣賞」 を受賞されたことです。
内閣総理大臣賞とは
大曲全国花火競技大会は「日本三大花火大会」の一つに数えられ、全国の花火師が最高の技術と創造力を競う国内最高峰の大会です。その中で授与される「内閣総理大臣賞」は、全出品作品の中で最も優れたものにのみ贈られる栄誉であり、花火師にとっては最高の名誉とされています。
言い換えれば、2015年にイケブン様が受賞されたのは、その年の日本一の花火を作り上げたという証でもあります。
リカテープを使用した煙火(提供元:株式会社イケブン様)

また、創造花火の部での優勝、10号玉自由玉・芯入割物の準優勝・入賞など、複数部門に渡って非常に高い順位を獲得されています。
隅田川花火大会、やつしろ全国花火競技大会、土浦全国花火競技大会などでも度々入賞・高評価を受けており、その受賞歴から、技術力・表現力の両面で非常に優れた煙火業者であることを示しています。
なぜ紙・テープが重要なのか(技術の要点)
煙火の玉(シェル)は外装の紙の厚みや巻き方、接着の仕方によって強度・内圧の伝わり方・破裂(バースト)挙動が変化し、それが空中での開き方や星(スター)の散らばり方に直接影響します。たとえば同じ星を入れても、外装の厚みがわずかに変わるだけで内圧の逃げ方や破断の仕方が異なり、結果として見え方(対称性・広がり・密度)が変わることが知られています。
また、シェルの外装をどのように巻き、どのようにテープで固着するかは、均一な壁厚を作ること・局所的な剥がれや弱点を作らないことに直結します。工業的な巻き付け装置や専用の包み技術に関する特許も存在し、製造各社は、自動化・精密化によって品質を確保しています。
当社のリカテープは、天然由来のでんぷん系接着剤を採用した環境配慮型のクラフトテープでありながら、強固・安定した接着性、紙材(シェル)との親和性、加工時の取り扱いやすさ(手切れ性)により寸法安定性に貢献しています。

また、導電性をわずかに持ち、吸湿性もあるため、電荷が蓄積しにくく、火薬粉体を扱う環境では安全性向上につながります。環境面では、一般的なフィルム系テープと比べ、燃焼時の二酸化炭素排出量を40%削減しています。さらにバイオマスマーク85%(認定番号:240009/対象:テープ本体)を取得しており、使用後は段ボールと一緒にリサイクルすることが可能です。PPWR(包装・包装廃棄物規則)などの環境規制の方向性に沿った素材構成として注目されています。

NichiRicaは、現場で求められる「高い品質」と「環境配慮」の両立を目指し、今後も素材の研究と現場支援を続けてまいります。
※本記事の掲載内容は、株式会社イケブン様のご確認・ご承諾をいただいた上で公開しています。
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